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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第2章 25バンチの訓練コロニー


「私が何らかの過去の経験、トラウマが
 今回の“サメ”の姿に変えさせた、
 と言うのなら…

 それは違ってますよ

 アレは間違いなく生物のサメ、そのものの姿でしたから!」


頑なな回答をしたダニエルに対して
カウンセラーは聞きながら、ニッコリした表情を崩すことなく、笑顔のままだ


「なるほど、なるほど
 あなたに何かしらの過去の傷跡があるんじゃないか、と疑う声も情報部に言われたものでね?

 まぁ、確認みたいなものです

 確認ついでにズバリ聞きますが、
 ダニエルさん、今までの怖かった経験って何かありましたか?
 薄っぺらい質問になってしまい申し訳無いが」


カウンセラーは相手を和ますために笑顔を崩さなかったが、かえってその笑顔が気持ち悪い
 ダニエルもそれは理解していた
 自分は事故の調査と言いながらも、実際は連邦軍の中で軟禁され尋問を受けているのだ


「仕事のほうは、もう何年も勤務しているので慣れた環境です、軽度ののストレスやプレッシャーはあるかもしれませんが、深刻なほどじゃあない

 プライベートも特に問題は無い
 何なら娘の顔のアザの治療の件で光明が射し込んできた流れで妻とも気持ちを固めていたぐらいです
 娘が小さな頃から、私たち夫婦は幼い娘にツラい経験をさせてしまいましたから
 当の本人は明るく振る舞っていましたがね

 それでも私たち親は普通の娘として人生を謳歌してもらいたい、顔のアザによって後ろ向きな人間になって欲しくない

 そんな長年の想いが、ようやく進みかけたところだったのです……!」


ダニエルは言葉を詰まらせた

夫婦の絆を思い出して、そこから妻が亡くなったことを強烈に思い出してしまい、辛かった


伴侶を失ったダニエルは孤立感に打ちひしがれるのだった…


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