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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第2章 25バンチの訓練コロニー


「娘さんの顔のアザ、あれは確かにかわいそうなものですな
 眠っていても可愛らしい
 顔にアザがあっても娘さんは素敵ですよ

 彼女のアザは生まれつきですか?
 それとも以前に事故にでも?」


「先天性ではありません…
 あれは何年経ったかな、
 まだ娘が小さい時に、少しづつ現れたのです

 最初は小さなシミのようなもので、色も薄かった
 いつの間にか大きく広がり、顔の半分ほどになだてしまい、色もだんだん赤く濃い色になってしまった」


「何もなく? 熱いミルクが顔にかかったとか
 階段から転げ落ちてから、とかも無くですか」


「それは…」



ダニエルの言葉が止まる

言葉だけでなく、身体もピタリと止まってしまった
 まるで電池が切れた恐竜のおもちゃのように


「ダニエルさん?」


カウンセラーに笑顔がなくなり、元の真剣な顔に戻っていた

カウンセラーの心を読めたら“ようやく核心を探り当てたぞ!”と伝わったことだろう


「……」


「大丈夫ですか、ダニエルさん
 いま、何が頭に浮かんでいます?
 教えてください、なんでも構いませんよ?」


カウンセラーは心の扉の向こうを引き出そうと必死だ


「いや、そんな事は……、まさか」


「なんです?」


すると、突然ダニエルの身体がブルブルと震えだした!


眼が見開いている!


「ダニエルさん!どうしました!?
 何です?
 何があなたをこうさせているのです!?」


カウンセラーが席を立ち上がろうとした瞬間

ダニエルは眼を白目に反転させ、卒倒した!


「ダニエル!?」


カウンセラーが彼の肩を抑えようとした瞬間、同席していた白衣の医療スタッフが駆け寄った!


「緊急事態です、離れて!鎮静剤を!」

医療スタッフは助手に手を差し出し、鎮静剤を受け取った


ブシュッッ!! 


ダニエルはそのまま意識を失った


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