テキストサイズ

シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第1章 ライオンズゲート号


「あ、いま光ったわ!訓練してるの?」

 夢中になって廃棄コロニーを眺めていたケイトは突然大きな声をあげた


 つられて他の乗客たちも外を見つめる


「んん? 今日は訓練は無かったハズなんだが」


「あ、私にも見えた!」

「ああ、あれのことか」

「ゆっくりなんだな」


乗客たちもそれぞれに感想を口に出す


「……こっちに迫って来てないか?」

「だんだん近づいてきてるわ!」


クリス船長は慌てて操縦席に戻っていく


「あれは、なんだろう? シャトルか?」

「なに、あれ?」

「え…??? うそでしょ?」






「Shaaaaarrrrk !!!????」




ライオンズゲート号に急接近してきたのは
まぎれもなく〈サメ〉だった!




宇宙空間に!




〈サメ〉が迫ってくる!




ライオンズゲート号は反転する動きをとる前に激突させられた!



船内に衝撃が伝わる


乗客の絶叫が船内に響く


何名かは座席から投げ出され、天井に身体を打ち付けた


さらに



シャトルの外壁に亀裂が走った


少しづつ空気が漏れ出す音がする


悲鳴があがる



船内はパニックになった


その直後、バゴッ!と外壁が剥がれ、突如シャトル内の空気が一気に漏れ出した


「ぎゃあああッッ!!!」


人々が宇宙空間に吸い出されていく


「ケイト!ここのグリップを握りなさい!」

母親と父親が自分たちの身体を使って娘の身体を守る


「大丈夫、しっかり掴んだわ!」


その瞬間、母親の身体はあっという間に亀裂の方へ投げ出されてしまった


「お母さん!」

「スーザン!!」

一瞬のことだった


母親は宇宙空間に投げ出されてしまった


スーザンは眼をかっと見開いたまま、船から遠ざかっていってしまった


シャトルの窓から母親の姿が見える


泣きじゃくるケイトの身体を押さえ、父親ダニエルも必死に娘を守った


バンッッ!


眼の前の扉が開く


扉の隙間から太い腕が伸びる


船長のクリス・ケンティスだった


クリスは二人の身体をぐいと引き寄せ操縦席側の通路へ避難させた


ここはまだ隔離されたままで酸素がじゅうぶんにあるようだ


ケイトと父親ダニエルはハァハァと息を整えた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ