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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第4章 男装の麗人クレリア


クレリアに案内されてザックは教会の裏に建てられた小さな小屋の一室に案内された


「ここはアンタの家かい?」


「そうだ、女の部屋に入れたからと言って勘違いするなよ?まだキミは表に出ないほうが良さそうだから神父としてキミをかくまっているだけなんだからな」


「なにが神父だよ」


ザックは部屋にあるベッドに横になろうとすると、ベシッ!と頭を叩かれた


「ベッドは私、キミは床!」


クレリアはそう言うと小屋の裏から廃材の板と段ボール、そして毛布を持ってきてくれた


「まるでモノ乞いだな」


「軍人のクセに何を文句言ってるんだ?
 行軍訓練のときは雨の中洞窟で眠るんだろ
 屋根があるだけマシだと思え
 コロニーの中でも雨は降るんだぞ」


「わかってるよ、かくまってくれてありがとうよ、クレリア」


「最初からそう言う態度でいいんだ
 明日は私が外の様子を見てくる
 何なら基地に伝言も入れておいてやるよ」


ザックは再びポケットから通信端末を取り出してみたが、やはり通信は出来なかった


「オンライン通信出来る端末はここには無いのか、クレリア?」


「コンピューターはあるけど、今は使わないほうがいいと思うよ?
 せっかく手に入れた寝床を失いたくは無いだろう?
 わたしもこの場所が血まみれになるのは御免だ」


基地と連絡をとることは諦めた


マットとスージーは無事だろうか?


任務を放りだしてジェームスとダンは怒るだろうな


ザックは黙って毛布にくるまるしかなかった


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