シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第4章 男装の麗人クレリア
いろいろな事があった1日だった
ザックは横になるとあっという間に眠りについてしまった
そして夜中に目が覚めてしまい、逆に眠れなくなってしまった
寝返りをうつ
身体に痛みが走る
冷たい床に、毛布一枚
眠った時は気づかなかったが身体が芯から冷えていた
ううう……、と思わず声が漏れてしまう
そのときクレリアが声を掛けてきた
「眠れないのかい、ザック?」
「悪い、起こしちまったか?ちょっと思ってたより寒かったんで驚いてるんだ」
「……そう、それは悪い事したね」
ザックは正直に言ったつもりだったが、これではまるで女の寝床に潜り込むための言い訳をしているみたいで情けなかった
「えーっと、勘違いすんな
別に不満を言ったわけじゃないんだ」
「そうなの?こちらに潜り込むのはお断りだから!女が欲しけりゃ街へ行きな」
「だから、そんなんじゃないって!」
ザックは声を張ってしまう
するとベッドの上からクレリアの指が降りてきた
指はザックの身体に触れてくる
肩があたって、そのまま顔に触れてくる
「ああ、確かに冷たくなってるな
我慢できそうにないね、限界かいザック?」
「たしかに身体にこたえそうだ、でも大丈夫
我慢するさ
目が覚めちまったら眠れなくなっただけだ」
ザックの言葉にクレリアは返事をしなかった
いや、何かを考えていたような様子だ
少し沈黙が続く
ようやく話し掛けてきたのはクレリアのほうだ
「上がっておいでよ、ザック」
「え?」
「その代わり、私に触れたらこの銃を放つ
これは護身用でね、小さいから殺傷能力は低いが眼球をえぐるくらいは出来るだろう
でも反動が無いぶん、わたしでも扱える」
クレリアはザックの腕をつかむと引き上げてきた
ザックはさすがにこのままでは風邪をひいてしまいそうだと思い、おずおずと彼女の提案を受け入れた
クレリアのベッドはとても暖かかった…
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