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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第4章 男装の麗人クレリア


クレリアのベッドはとても暖かい


スプリングも効いていて、


そしていい匂いがした


〈触るな〉と言われたが狭いベッドではムリな話しだ


オトコとしてオンナの肌が恋しくなることはあるが、見境なく欲情するものでもない


現にザックは少し緊張するものの、会ったばかりの素性の知らないクレリアを強引に抱こうなんてとても思えなかった


モゾモゾと動き出したのは逆にクレリアのほうだ


「キミがベッドに上がってきた途端、冷たすぎてこちらがゾクッとしてしまうよ
 それぐらいキミの身体は冷え切っている」


「スマン、でも俺はようやくひと息つけた気がする、まだ追い出さないでくれ」


「……追い出しはしないけどさ……」



そういうとクレリアはザックの背中側から抱きしめるように腕をまわしてきた


「おい、クレリア」


「黙ってろ、目覚めたら遺体になられたらわたしが面倒なんだ」


クレリアの暖かかい身体がザックを癒やす


華奢そうに見えたが、意外とやわらかいもんだとザックは思った


ザックが深いため息をつく

それは安堵のため息だったのだがクレリアには気に入らなかったようだ

「オンナが身体を使って助けてやってるのに、なんでキミがため息つくんだよ」


「え、違うよ
 落ち着いてきたから安心したんだ」


「そう?それは良かった
 でも油断するなよ、いつでも銃は撃てるんだからな」


「神父のセリフとは思えんな」


「都合のいいときだけ神父扱いするな
 今はただのクレリアさんだ」


「ありがとう、クレリア
 だいぶ生き返った
 床に戻るよ」


「……ヘンな気を起こさなければ
 このまま居たらいいさ、ザック
 迷い猫の子猫くん」


「誘惑されたのは俺のほうだぜ?
 未成年を襲ったらアンタが追求されるだろうよ」



「ザック、キミは未成年なのか?」


「ああ、まだ新米パイロットさ
 姉は居ないが、アンタを姉だと思うことにするよ」


「まだお子様だったんだね、ザック
 どうりで男臭くないわけだ
 相手が坊やならこちらもベッドに招いてしまった事を後悔しなくてすみそう」


「アンタ、いい人だな、クレリア」


ザックはそう褒めたものの、
 〈女の一人暮らしでこの対応は無防備すぎるな〉
と思った



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