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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第4章 男装の麗人クレリア


「クレリア、アンタは司祭と言っても女だろ?
 ひとりでここに…
 教会の裏に住んでいるのか?
 危なくないか?
 こんな荒れたゴーストタウンに女ひとりで」


ザックはクレリアに抱き締められながら女の身体のやわらかさに改めて気づいた


「なんとかひとりでやっていってるよ、
 近くに用心棒のフィルが居てるし
 怖い目には何度も遭っているが、本当に怖いのは人間じゃない
 もっと邪悪な奴らがうごめいているのさ


 ザック、軍人のキミからすれば教会なんて時代遅れな文化だとでも思っているでしょうね
 だけどね、
 宇宙世紀の時代になっても民衆は不安さ
 何かにすがりたいんだよ
 それが〈神〉なのか、
 そうじゃないものなのか、
 人によって違うけどね」


クレリアはザックの耳もとで子守歌のようにささやく


「俺は神も悪魔も信じてないからな
 それに……
 信仰のための〈神さま〉ならまだ理解できるが、〈悪魔〉って言われてもな」


ザックがそう言うと、クレリアはふふふと笑った


「ザック、そこなんだよ!
 実は神を信じるってことは、同時に
 悪魔を信じろ!てことなんだ
 おわかり?」


「おい、こんなときに信仰の説教をするなよ
 でも言いたい事はわかるぜ?
 連邦が居れば、ジオンが居る
 男が居るなら、女も居る
 そう言いたいんだろう?」


「なかなか賢い子猫くんじゃないか!
 お姉さんは嬉しいよ」


クレリアはザックの背中に胸を押し付けるように抱きついて喜んだが、ザックは違うことを考えていた…



〈宇宙に〈悪魔〉が居るのなら、

 宇宙を泳ぐ〈サメ〉も居てるって事かよ〉



連邦軍人、

悪魔崇拝の集団、

教会、

居ないハズのオンナの神父、

居ないハズのサメ、


ザックはとんでもないコロニーに来てしまったな、と頭を痛ませるのだった……


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