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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第4章 男装の麗人クレリア


いつしか眠っていたザックは突然の痛みで目を覚ました!


「な、なんだよ、せっかく眠れたってのに!
 なんで殴ってくる?
 ハッ!!!
 おれは何にもしてねぇぜッ!!
 神に誓うよ!」


ザックの口はすぐにクレリアの手によって塞がれた



「ウルサイッ!黙ってろッ!
 なんだか様子がおかしい
 取り囲まれているかもしれない」


それならそれでもっと適切な起こし方があるだろうに、とザックは思ったが言わなかった



「フィルも気付いてくれてるだろうか?
 いゃ、ポンコツなお坊ちゃまだから
 まだいびきをかいて寝てるに違いない
 アイツめ!
 こんどとっちめてやる!」


「想定だけで叱ってやるなよ?
 カワイソーじゃねぇか」


「だいたい当たってんだよ、私の勘は!
 ほら、ザック!どいて!
 ベッドの下に潜り込むんだッ!」


クレリアはベッドの上からザックを突き落とした


「痛えだろッ!アンタめちゃくちゃだな
 行動する前に先に指示しろよ!」


文句を言うザックの足首を掴むと、そのままベッドの下に引きずりこんだ


「だから、痛えってんだ!
 こんな狭い場所に隠れても手榴弾投げ込まれたら終わりじゃねーーかッ!?
 せめて地下室があるくらい、言ってくれよ!」


狭いベッドの下でザックの顔にぴったり頬を付けてニンマリとクレリアは笑った


「地下室は無いけど、

 地下通路ならあるわよ」


「……!!!!
 分かってんなら笑ってないでサッサと入れよッ!!」


「せっかちだなぁ、ザックくんは
 女の子にモテないよ〜」


クレリアは無駄口を吐きながら床の板を一枚、二枚と外していく


そこには人がひとり入り込むたけの小さな穴が有った


ふたりが通路に入ってすぐに、

凄まじい衝撃と、爆音が響いた!


「ふぅ、間一髪だったぜ」


「あ〜あ、お気に入りの下着とか有ったのになぁ〜」


「そうかよ、じゃあひとりで回収してこい!
 俺は先に行くぜッ!
 連邦軍の基地に戻って俺のジムⅢをとってくる!チキショウ!仕返ししてやるッ!」


「目には目を、てか?
 それハムラビ法典だよ、笑えないね
 それに連邦軍の基地まで辿り着けるものか
 
 出口はすぐ裏の教会までだよ!
 さぁ、早く出よう!ザックくん!」


ふたりは匍匐前進をして小さな抜け穴を這っていった

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