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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第4章 男装の麗人クレリア


出口はすぐと言っていたが、腹這いで進むにはなかなかの時間がかかった


出口は教会のなか、祭壇の下に繋がっていた


「神父が勝手に祭壇の下に隠し通路なんか作っちゃって……アンタもタイヘンだな、神さま」


ザックは祭壇の上に飾られた救世主の十字架に同情していた


深夜のため中は薄暗いが、先程の爆発により窓の向こうの灯りでなんとか空間の大きさがわかる


ふぅん、とあたりを警戒しながら信者たちが話しを聞きに来るための長椅子に近づいた途端、

再び何者かがザックの頭に長い板のようなものを使って叩きつけてきた!



「痛えッ! だからやめろって言ってんだろクレリアッ!!」



「わたし? わたしはこっちだけど?」


なんとクレリアはまだ正面の祭壇の近くに居た



「フィル!」

「クレリアさん! ご無事でしたかッ!」


「わたしはね、こっちのはキミが殺したんだ
 わたしじゃないからな」


床には気絶したザックの身体が転がっていた



「あれ、なんだか知った顔です!誰だったかな」


「冷たい奴だ、コイツはキミのことを知っていたよ?キミって案外薄情だよね」



「そんなことよりどうしますか!?
 囲まれてますよ?」


「ああ、きっと今頃裏の私の小屋で私の死体を探しているだろうよ
 今のうちに堂々と表から出よう」


「この人はどうしますか?置いていきますか?」


「やっぱりキミは冷たいよね
 おいザック、起きろ!
 いつまで寝てんだ!」


クレリアは足でガンガンとザックの身体を蹴っていた


ザックは頭をさすりながら起き上がってきた


「イテテテテ、おうフィリップ!無事だったか
 デミトリッヒの手下はどこだ?どこにいった
 絶対やり返してやる!!!!」


クレリアが何か言おうとしたが、すぐさまフィリップの手によって塞がれてしまった…




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