シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第5章 ケイト・アウェイキング
「隊長!ダンさん!早く戻って来て!」
ゆっくりと機体の頭部、メインカメラを遮蔽物から突き出してみる
途端にサメが現れた!
「ぎゃぁッッッ!!!」
たまらず頭部バルカン砲を連射する!
当たらない!
凄まじい瞬発力だ!
エイミーは隠れても同じだ、と判断して背後へジャンプして相手との距離をとる
落下しながらもバルカン砲で威嚇する
素早く横に移動して突進を予測して回避する
来なければさらに横移動してこの場を離れる
ちょうど向こうの影から僚機2機の姿が確認出来た、だがまだ距離がある
エイミーは横移動を何度も繰り返し、僚機のほうへサメをおびき寄せる
「おいでおいで!サメくん!
わたしは美味しいわよ!!」
そう言って今度はエミリー機がオトリ役を務める
もう少しで自分の背後から迎撃してもらえる!
ジグザクに逃げながら、誘導していく
だが、だんだんサメの影が見えなくなっていく
たまに追いついたような素振りを見せるも、深追いしてこない!
「なんて賢いサメなのッ!?
まるで作戦が見透かされてるみたいッ!?」
失敗だろうか?
このまま逃げられてしまうのだろうか?
不安な気持ちになるエイミーの耳に突然つんざくような絶叫が聴こえてきた!
「ギャァァァァァァァァァァァァッッッ!!!」
「ダン!? どうしたッ!」
「ダンさんッ!?」
サメの狙いはエイミー機からダン機に変わっていた
エイミー機からも、ジェームス機からも、
ダンの機体がカクニン出来ない!
悲鳴だけが聴こえてくるのだ
ダン機はコロニー外壁のくぼみに突き落とされていた!
ビーム・ライフルを握る右腕側にサメがかぶりつく
そしてあっという間に引き千切ってしまった!
「う、腕がァァァッッッ!!!???」
さらに左脚に食らいつくと、左右にブンブンと頭を振るとダン機ごと外壁に叩きつけた!
「ギャァァァ!!」
左脚はちぎれなかったものの、配線コードが何本か繋がっているだけになってしまった!
たまらず頭部バルカン砲を撃ちまくるが、狙いが定まっていなかった
しかしダンにはトリガーを引くことだけしか出来なかったのだ