テキストサイズ

シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第5章 ケイト・アウェイキング


ダンの無意味な攻撃など相手には通用せず、あっという間に左腕も、右脚も噛み付かれ、振り回され、壁に打ち付けられ、引きずりまわされた


ダンは気を失いそうになりながらも、背中のバーニアを噴かせ、ここから離脱しようと試みる



サメはそれを許さず、追いかけては胴体に突進、追いかけては突進を繰り返す


まるでドリブルでもしてるかのように思えた



「ダン!」
「ダンさん!」

僚機2機が駆けつけた瞬間、

体当たりの衝撃でコックピットハッチがバン!と開き、ダンの生身の身体が宇宙空間に放り出されてしまった!



「ああ……ああ…」



ダンの目には遠くから助けに来てくれた僚機が見えた



そしてその瞬間


真っ暗になった




僚機の眼の前でダンは食べられてしまった!



「ダン!」

「嘘…!?」



そのまま機体は大爆発を起こしてしまった!



「離れろ!エイミー!」


ジェームス機は咄嗟にエイミー機を突き飛ばした



ダン機爆発の衝撃がまともにジェームス機に襲いかかる


「ぐわァァァッッッ!!」


ジェームス機の前面は一瞬で破片だらけになってしまった


装甲の至る所に無数の破片が突き刺さり、
メインカメラも被弾してしまった


爆発によりコロニー外壁側にも被害が出た


最悪なのは外壁を移動するエレベーターが破壊されてしまった


コロニー内を行き来できる交通アクセスがひとつ失われたのだ


突き落とされたエイミー機の眼の前を、破壊された無人のエレベーターがかろうじて移動していくのが見える


「ああああ、コロニーの設備に被害が……」


エイミーはコロニーの甚大な被害を、自分たちが生み出してしまったかの様に捉えてしまう



エレベーターはボロボロの状態になりながらも、軌道通りに進んでいった


するとどこかの停車場に着いた様子を見せる



「あ、ダメ! ドアを開けたら……!!!」



その瞬間、ドオォォォーーー!!とコロニー内のエアーが流出し始めた!



そして人間がひとり、宇宙空間に放り出されてしまったのが確認出来た


「……ッッッ!!!」



素早くエイミーは機体の両手ですくってみせた


そして素早くコックピットハッチを開け、収納する


咄嗟の判断だった


すぐにコックピット内は空気を再充填した

ストーリーメニュー

TOPTOPへ