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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第5章 ケイト・アウェイキング


はぁはぁとエイミーは息を整える


放り出された人間は男性だ


そして、なぜか見覚えがある



「もしかして、ザック先輩ッ!?」


すでに男性、ザックは意識を失っており、呼吸もしていなかった


宇宙空間に投げ出されたときに肺の中の酸素も引きずり出されたのだ


エイミーはザックの鼻をつまみ、顎を持ち上げ人工呼吸を始めた


血の味がする


何度も、何度も、空気を強制的に送り込んでやる



もう、ダメかも……

と思った瞬間、ザックはゲホゲホと咳き込んだものの、意識までは戻らなかった


「このままでは酸素欠乏してしまうわ!」


エイミー機はコロニーの外壁に引っ掛かったまま動かないジェームス機を牽引し、急いで基地へ戻った



運が良かったのは、たまたまサメの襲撃が終わっていた事、

何よりもザックが宇宙空間に投げ出された場所にエイミー機が居た事だった




エイミーはだらりとしたザックの身体を抱えながら、宇宙軍学校の憧れの先輩と再会できたことに驚いていた


“絶対に助けなくっちゃッ!
 必ず助けますからね、先輩!”



エイミー機はバーニアを噴射しながら外壁沿いを飛んでいく



こうしてジェームス小隊はまともに動けるのが本日初任務のエイミー・メイミィただ一人となってしまい、チーム全体が壊滅的な状況になってしまったのだった……



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