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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第6章 サメ狩り


大捜索作戦が失敗に終わった頃、


ザックはすでに一般病棟のほうに移されていた

しかし、寝てばかりもいられない
決められた分の点滴が終わるとザックは立ち上がり、通常の軍服に着替え始めていた

ちょうどそのとき、扉からケイトがやって来た


「あっ! ザック、なんで着替えてるの!
 まだまだ此処に居るんでしょう?」


「おちおち寝てらんねぇよ!
 それよりお前なんでいつもこっちの部屋に来るんだよ! お前の部屋はあっちだろ!」


「あっちの部屋にはザックが居ないじゃない」


「こっちの部屋にももうすぐ居なくなるさ」


「わたしを助けに来てくれたんじゃないの?」


「ああ、あのとき助けたのは俺だが、いまケイトを助けてくれてるのは医者だ」


「ザック、またわたしを助けてくれる?」


ザックはケイトの顔をじっと見つめる


〈寂しいんだろうなぁ、ここには同年代は少ないだろうから、俺が一番歳が近いんだろうか
 いや、顔のアザもあって、もしかしたら友達も疎遠なのかもしれん……〉


ザックはケイトの顔をじっと眺め、そのまま軽々とケイトの身体を持ち上げた


「ケイト、軽すぎるぜ?
 これじゃあトレーニングにもならねぇ、
 もっと食え!」


「やぁよ、太るもん」


「ちょっとぐらい太ったほうがいいぜ……」


その瞬間、ドアから帰投したばかりのエイミーが現れた


「!」


突然、目の前にザックがケイトを担いでいる光景を見てエイミーは眼をひん剥いた


ザックはエイミーをじぃっ、と見つめて

「ケイト、アレぐらい太ったほうがいいぞ?」


「へっ!? 太い??? ちょっと!
 ザック先輩! 1年ぶりに会ったっていうのに何ですか、その言いぐさはッ!!!」


確かにエイミーの身体つきは肉感的だ
背はかなり低いが、豊満で胸と尻、そして脚がはちきれんばかりだ


「誰かと思えばエイミーじゃないか?
 お前どうしてこんな所に居るんだ?
 学校は?」


「とっくに卒業しましたよ!
 せっかくジェームス小隊に入れたのに先輩は居なくなっちゃうし、おかげで今はマット小隊に変えられちゃいましたよッッッ!」


わぁっ!とエイミーが抱きついてきた

ザックはケイトを下ろすに下ろせなくなって困ってしまった……


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