シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第7章 海岸線
エイミーはすっかり寝てしまい、幸せな夢を見ていた
真っ直ぐに延びるハイウェイ
疾走する紅いスポーツカー
天井は真っ青な空
そう、天井に街が無い!ということは此処はスペースコロニーじゃない!
地球だ!
行ったこともない地球
ネットコンテンツで見た程度の浅い知識だが、きっとこれが地球なのだろう
エイミーは大きな帽子が風で飛ばされそうになる
運転はしていない
運転してくれているのはザックだ
ザックの唇が動いているので二人はなにかしらの会話を楽しんでいるようだが、何を話しているのかわからない
まるで無声映画を眺めているような感覚
自分であって自分ではないのだ
クルマはいつの間にか海岸線を走っていた
見たことも無いけどネットで見た海岸線
そして、海!
海はずっと向こうまで、水平線の彼方まで何も浮かんでおらず、空と海の境をクルマはひたすら走っていた
海の音も何も聞こえないが、きっとこれが地球の海なのだろう
海の透明度が高い
透き通る海
いつのまにかふたりは水着姿で泳いでいた
どんな水着かすらぼやけてわからない
ただふたりで楽しく泳いでいるのだ
照り付ける陽射しの暑さも、とても塩辛い海の味などなにもわからず、ましてや自分が泳げるかどうかも知らないが、今は自由に泳いでいる
ザックも自分もあふれんはかりの笑顔だ
いつまにか疲れ切ってふたりは砂浜に寝そべっている
空が青い
横を見るとザックもこちらを見ていた
ふたりは寄り添い、互いの頬を指でなぞり、
口づけを交わした
いつのまにか真っ白のベッドの上に居た
口づけを何度も交わす
エイミーの首筋にザックが唇を当てながら下がっていく
思わずのけぞるエイミー
抱き合っていたふたりだが、ザックはゆっくりと腕を伸ばしていく
身体を見られていく
恥ずかしさ
嬉しさ
何とも言えない
ザックは自分の身体を気に入ってくれるだろうか
彼の視線を確認する勇気がなく、顔を下ろす
でも、もし気に入ってくれたのなら
見て欲しい
自分の身体を、
すべてをザックに見て欲しい
エイミーはザックに身を委ねるのだった……