シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第7章 海岸線
ちょうどそのとき医療チームのスージーがザックの病室に入ってきた
「あら? おじゃまだったかしら?」
「いえ、なんでも無いので大丈夫です…、
たぶん……」
エイミーが元気無くうつむくので、スージーは首をかしげた
「なにかあったの? アナタ大丈夫?」
エイミーは何処から話せば良いのかわからなかった
「ちょっとゆうべ疲れてたみたいです
先輩の夢を見ていたら、本当に横に居て…、
なんだか涙が出てきて…、
おかしいですよね?」
スージーはエイミーの頭を無でてやる
「ザックを愛してるのね」
「………ハイ、たぶん」
「ザックは無鉄砲な子よ、アナタがしっかり彼を引き留めてあげなさい、でないと彼はどこにでも飛んで行ってしまうから」
「……わたしはそれを求めていますが、先輩のほうはそうじゃないかもしれません……
引き留め役はわたしじゃないのかも……」
「安心して、彼の近くに居てるのなら、あなたはすでに彼の家族よ、ザックのそばに居てあげて
ね、ザック?」
エイミーが見上げるとすでにザックは起きていた
「せ、先輩ッッッ??? 起きてたんですか?
い、い、い、いつから????」
「朝っぱらから耳元でうるさいから起こされたんだよッッッ!!!」
「おはよう、ザック! 昼には退院よ
昼ご飯は出ないわよ
荷物をまとめない
あ、それとベッドは汚しちゃダメよ」
「スージーのバカ!」
ザックは枕を投げつける素振りをする
エイミーは顔を真っ赤にしている
「アナタ、避妊はしっかりするのよ?」
「うるさい!!早く行っちまえッッ!!」
スージーは笑って部屋を出ていった
ザックは照れくさそうに頭をボリボリ掻いている
「エイミー、そんなにくっつくなよ?
当たってんだよ、胸が……」
そう言われても離れたくなかった
「……先輩」
「……なんだよ」
「避妊しなくても大丈夫ですよ」
「バカヤロー!」
ザックはエイミーの髪の毛をワシャワシャと掴んでみせた