テキストサイズ

シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第7章 海岸線


あの成功しかけた「サークル作戦」を気に入った作戦参謀は小隊ふたつをまとめた中隊を編成

中隊を交代させながらサメの動きを封じ込めようとした

ただし、追い込む事までは出来てもマット隊がやってのけたトドメを刺すところまでには至らず、部隊の爪の甘さを露呈してしまっていた


そうかといって、マット隊が行った激しい確保を不慣れな新兵を抱える訓練基地では重荷であるのは重々承知していた


前線に戻ったザックはマット、ジェームス、ザック、エイミーに加え、別個の3機小隊が加わり7機中隊となっていた


さらにザックには新兵器が与えられていた
巨大な槌(つち)、メガトンハンマーだ
金槌状のハンマーは効果を得ようとすると振り降ろすだけでもかなりのパワーを要する
ある意味、使用回数に制限がある兵器だった
もちろん無重力の宇宙空間でしか使用できない

行動を制限されないよう無人の荷台がオートで追従してくるので、ザックは〈犬の散歩〉と呼んだ


「ジョー!トゥーブス!そっちへまわった!!
 行く手を塞いでくれ! すぐに追い込む!」


「わかった、ザック! ハンマーの用意をしておいてくれ!!俺達で足を止める!!」


「ヒレだ!ヒレ!」


「なんでもいいって!」


ジョーは正面から待ち伏せして、巨大な電磁ネットを広げた


バリバリバリバリッッッ!!!



凄まじい光り!


一度はネットに触れたサメだったが、反転してしまう


「……まぁ、投網で捕まえられるとはハナから思ってないさ! トゥーブス! 行ったぞッ!」



ジョーのジムⅢは電磁ネットを手離し、追跡を開始した



次に待ち構えたトゥーブス機は右腕そのものをバルカン砲に改造されたカスタム機だ


ライフルほどの破壊力は無いが、コロニー外壁での戦闘は躊躇せず攻撃できる


ガガガガガガガガガッッッ!!!!


腕のシリンダーが回転し、次々と薬莢を飛ばす


この時代のモビルスーツ戦、意外と物理兵器は効果があった
どの機体もビームコーティングが施され、直撃を受けても大きな損傷を与えられないからだ


「おらおらおらおらおらッッッ!!!」


トゥーブスは綺麗な顔立ちのわりに血気盛んな兵士で、この右腕の大型バルカン砲を気に入っていた




ストーリーメニュー

TOPTOPへ