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シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない

第8章 ジョージタウン、乱戦


その頃、ザックたちは雑居ビルの屋上に居た

デミトリッヒたちがよく出没する緑地公園を見下ろす


「……山犬だ」


森のような緑地公園のなかに真っ黒な野犬が一匹


はじめからこちらを監視さるかのように見つめている


本当はケイトとエイミーをクルマに残しておきたかったのだが、あの山犬を見つけてから離れるのは危険だと判断してビルの屋上まで連れて来ていた


「なんなの、あの犬……ザックおかしいよ」

「そうだな、何か取り憑いてるみたいだよな」

「当たりですよ、ザック!犬はデミトリッヒの配下です、あんまり見ないほうがいいですよ?
 魅入られると発狂しかねない」


フィリップがもっともらしく言うからケイトとエイミーは怖がった


「フィル、あんまり脅しちゃあ、お嬢ちゃんたちが可哀想よ? それに犬が見張ってるって事はデミトリッヒもあそこに居るってことよ」


「……だな?」


ザックはニヤリと笑う


「でもこれからどうするのよ? 取り戻そうにも武器を用意しないと……
 アンタたち一度基地に戻って武器を調達しておいでよ?」


「アンタはとうするんだよ、シモンズ?
 何か持ってるのかい??」


「私はモビルスーツ訓練校の教官だよ?
 手ぶらでこんな所に来ないわよ
 近くに訓練実習用のジム・トレーナーがあるわ! 私が派手に陽動するからアンタたちが侵入して奪還して来なさい
 でもまだ明るいわ、夜ね
 それまでに戻ってきて
 武器は任せるわ」


ザックは笑った


「武器ならあるさ」


「わ、私は何が出来ますか!先輩!」


「クルマの荷台に銃器かある、フィルとふたりで手口を確保しておいてくれ
 ケイトはここに居な」


「やぁよ!こんな所にひとりで居るなんて!」


「だってお前は民間人じゃないか」


「あら?それならこのお兄さんもお姉さんも民間人よ!それにここに残るよりザックの近くのほうが安全じゃない??」


ザックは呆れたが、その通りだとも思った


「わかった、ケイトは俺と行く、ヘルメットを絶対に外すなよ?」


話しが決まれば、あとは早かった


ビルの脇に置いてあったトレーラーからシートを外すと、仰向けに寝かされたモビルスーツが現れた


「始めるよ!」


シモンズが合図をした


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