シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第8章 ジョージタウン、乱戦
地下の廊下に面したドアを片っ端から開けていく
どれも倉庫だったり、資料室の棚ばかりだ
「居ないな!? やっぱり二階か??」
「待って、ザック! この壁!」
ケイトが指さしたところは倉庫の壁、そこには壁に貼られた大きなポスターがあった
緑地公園の管理センターにしては禍々しいデザイン
確かに違和感がある
様々な動物のイラストが描かれているが、同じように隣の戸棚にもイラストと同じような動物のフィギュア像が並べられていた
ザックは像を見つめる
キリン、ワニ、ゾウ、ゴリラ、サメ……
ザックが何気なくサメの像に触れると、像が前にガクン!と倒れてきた
いやレバーのように土台が繋がっている
最後まで倒すと壁のポスターがゴゴゴ…と左右に開いていった
中にはさらに地下に降りれる階段が見つかった!
「やったわ、ザック!」
「お手柄だぜ、ケイト!」
ふたりは階段を降りていった
階段の壁や天井に内装は無く、岩がむき出しにはっている
地下の洞窟に階段を後からつけたかのようだった
壁には定間隔にロウソクが灯され、かろうじて足を踏み外さない程度の視界が得られる
「なんだ、此処は!? 本当にスペースコロニーの中か!?」
長い階段を降りていくと、ふいに広い廻廊のような場所に出て来た
テーブルや椅子、なにかの集会が開かれていたかのような演説台…
そしてその近くには大きな池、地底湖のようなものまである
祭壇と思われる場所には巨大な銅像が祀られていた
その像を見てザックは「あっ!?」と声を上げた
以前、フィリップが酒場でみせてくれた半神半人の像!
アタマがサメの像だ!
「また、サメかよ……!!」
すると祭壇の裏からケイトの声が響いた
「ザック! 女の人が居てるよッ!?」
ザックは急いで祭壇の裏側にまわる
そこには台の上に寝かされたクレリアの姿があった!
まるで生贄のように横たわっている
眠っているのか、死んでいるのか、
意識がない
衣服は引き裂かれ、裸体には引っ搔き傷が無数にあり、出血もしていた
「ひでぇことしやがるッッッ!!!」
ザックは自分の軍服を脱いで、クレリアにかぶせてやった