シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第8章 ジョージタウン、乱戦
シモンズが乗るジム・トレーナー・セカンドが皆の乗る車ギリギリの場所目掛けてバルカン砲を放った!
ドガガガガガッッッ!!!
「当たるじゃねぇかッ!」
とザックが文句を言うと、車の中のスピーカーからシモンズの「悪い」という声が聞こえた
シモンズは公園の立て看板を掴むとメリメリと音をたてて引き抜いた
それを振り被って車とサメの間に突き刺す
看板が邪魔してサメの動きが止まった
「さぁさ、今のうちだよッ!」
「悪いッ!少しの間時間を稼いでくれ!!」
ジム・トレーナー・セカンドは返事もせずに公園内を練り歩く
ズシン、ズシン、と歩くたびに鳥たちが飛び去っていく
シモンズは2本の木々をバキバキと倒し、通せんぼをした
行く手を塞がれたサメは右に左に首を振るが、どちらにも行けないと悟ると向きを変えて街の中心部のほうへ進んでいった
撃退したと喜ぶシモンズだが、住民の多い街のほうに逃げられたとあって、これはまずいことになった、と慌てふためくのだった
「ザック、まずいよ!市街地へ逃げた!」
「くそっ!うまく行かねぇなぁ!!
シモンズ、替わろう!
俺が乗るッッ!!」
「先輩、無茶ですよ、旧式一機でなにが出来るんですッッ!!??」
エイミーの言うことはもっともだ
「出来るだけ足留めするさ!
それよりエイミーは基地に戻って中隊率いて来い! コロニーの中では戦えない
港まで追い込むんだ!!」
車をビルのそばで停車させるとザックは外付けの階段を駆け上がると三階の高さでシモンズに合図した
ジム・トレーナー・セカンドは軽くジャンプしてビルのそばで着地する
ハッチが開く
「シモンズ、変わってくれ!」
「いいや、大丈夫!こいつはタンデム仕様
2人乗りだよ!」
ザックがコックピットハッチに飛び乗ると、なるほどシートが上下に縦配置されている
上段のシモンズが下を指差す
ザックは下段のシートにドサッと腰を掛け、肩側からベルトを引き抜くと身体を固定させた
中のコックピットまわりは今のものと変わらない
「アンタ、動かせるのかい?」
「現役バリバリだぜ?」
シモンズは機体の制御を下段に譲る
ザックはいきなり最大限にバーニアを噴かせ、急制動なジャンプをしてその場を離れた