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獣人さんが住む世界で大っきいカレに抱き潰されるお話

第2章 夢の世界の入り口は

柔らかな白毛。
知的で悪戯っこそうな黒の瞳。
ちょっとだけ頑固で賢い私の家族。

『ねえシン? 獣人って格好いいよね? 私の背じゃさ、男の子に嫌われちゃうもの』

シンと二人っきりの生活の中で、そんなことを彼に話しかけていた覚えがある。

両親を早くに亡くした私は今23歳。
女だてらに175センチを超す身長は、成人に至るまでの自己形成に暗い影を落としていた。
しかしぶっちゃけ、私は実は、動物……特に獣人が好きなのだった。
人前でこんなことを大っぴらには言えない。
また背がどうのと馬鹿にされるだけだから。

結局四年の猛勉強の末、私は獣人を養育する目的の、政府の教育機関の試験に合格した。
外聞が悪い割に難関だったのは、単に高給なせいだろうと思っていた。
高い塀の向こうは未知の世界。
選ばれし者がそこに入ることが出来、私は可愛いさかりの獣人の子供を導く仕事に就く────予定だった。


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