恋慕
第29章 待惚…
師範殿は、チラリと弦の方を見て…
師範殿
「君達ふたりは早く逃げなさい…
此処に居るのは…危険です…」
と、悔しそうに師範殿は朕と弦に伝えた…
すると…
木の物陰から…カサカサ…と音がして…
「そうは、させないわ…っ!!」
と、女が怒り奮闘で闊歩して
此方に歩いてきた…
そして、その女は続けて
弦を指差し…言い放つ…
「この子は私の一人息子を殺したのよっ?
仲間なのに…味方である息子を…っ!!」
師範殿は冷静を装ってはいるが…
どう弁解しようか迷っている時…
朕の父
「よもや、よもや~…
これは、また…ただならぬ雰囲気ですな…」
弦の父
「よぉ…
おいらの息子が、何したって言うんだよ?」
と、朕と弦の父親が
女の後方から出てきて…話を遮る…