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恋慕

第30章 決別…弍



「よもや、よもや~…結納金とな…っ!?
弦よ…聞き捨てならぬな…
そなたを娶るのは我ぞよ…!?
結納金を贈るのは、朕家ぞよ…?」

 と、朕は弦の瞳を見つめながら…
続けて…


「それに春画を金銭に替えるとは…」

 と、またもや、ただならぬ雰囲気…


「いや…っ、違うって…っ!!
おいらには…そのぉ…春画…じゃなくて
絵師しか学がないからぁ~…」

 と、許しを請いながら弁解していた…


「絵師しか学がないとな…?
弦よ…それは違うぞよ…
そなたには、この綺麗な指と爪があろう…
その指先で我の為に…
胡弓を奏でてくれれば良い…
我からは何を結納金として贈ろうか…
この、扇子と剣しかないが…」

 と、朕は弦の手を取り…
ぼろぼろに、なった扇子と剣を差し出した…

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