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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第2章 ファ・ユィリィ


ステーションからレセプションスクールへは迷わず行けた
何度か足を運んだことがあったし、子どもたちと触れ合うこともあったからだ


まだまだ宇宙空間で働く人々は不安の中で生活している
彼らの多くはコロニーの建設関係に従事する者が多く、宇宙空間での事故は死に直結しているのだ
なにかにすがりつきたくなる気持ちもわかる
他のコロニー群と異なりサイド7のコロニー群はまだまだ“開拓地”であった

家族と移り住む多くの人々は貧困層の労働者であり、教会は彼らに寄り添うために設けられていた

だが実際に地球から宇宙の開拓地へ出向く神父は多くなく、フリードキンのように自ら現地へ赴くような人間は皆無である


彼らは定期的にレセプションスクールに通い、幼少の頃から身近に感じてもらえるよう様々なイベントに参加していた
今日もそのお手伝いのようで、建物の中に入ると同じく手伝いに駆り出されていた馴染みのシスターと出くわした


「ああ、フィル!貴方が来てくれたのですね?
 助かりました、神父は体育館のほうにおられますよ」


「シスター・リンダ、貴女も駆り出されていたのですね!ご苦労さまです」


リンダ・ブレアはフィリップよりも先に〈グリーンノア〉で務めていたシスターだ
5歳ほど歳上の“お姉さん”で新人のフィリップの良き先輩として手伝ってくれたりアドバイスをしてくれフィリップにとっては身近な存在でもあった


リンダは小さな子供たちを引率して体育館に人を集める作業をしていたのでフィリップもそのままついていった


「シスター・リンダ、今日は神父フリードキンのお話しもあるのでしょう?遅くなりそうですか?早く終わりそうだったらまた教えていただきたい事があるんですが……」


「どうかしら?遅くなっても私は構わないんだけど……、礼拝の時間までならね?」


フィリップはリンダに対して姉のような感覚だけでなく少し憧れのようなものを持っていた
彼女に幼馴染のエレンの面影を重ねていたのかもしれない


リンダも悪い気はしないらしく、弟のようなフィリップと過ごす時間は気に入っていた


そこへふたりを邪魔するかのような小さな使者が現れた


ファはフィリップを見つけると走ってきた
まだ10歳の少女は地球から来たフィリップに懐いていた


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