テキストサイズ

エクソシズム†ロストコロニー

第2章 ファ・ユィリィ


子供たちを前にしたフリードキン神父の噛み砕いたお話しは数分で終わり、あとは手伝いの皆を巻き込んで明るい聖歌を歌って今日のお務めは終わった


子供たちが帰る時には保護者向けのビラを配って日曜礼拝への参加を呼びかけた


レセプションスクールから出て外壁エレベーターのステーションまで歩いて向かっているときにフィリップは目の前のフリードキンを追いかけて質問していた


「あんな子供たちに説法を唱えて意味あるんですか?」


近くに居たリンダがギョッとした


「なんてこと言うの、フィル!?」


「いいんだよ、シスター・リンダ!
 フィル、我々が行っている事はまやかしのように見えるかもしれないけど、本当に困っているときにそばについてあげられる存在になるためには必要な事なんだよ」


「正規の聖職者ではないボクにはそのあたりがまだ離開出来ません、それより儀式について勉強したいんです!」


「儀式か……、そうだな……
 確かに地球のジェームスからもお願いされてるからそのつもりはしてるのだけど、
 キミ、本当に儀式専門でやりたいのかい?
 というのも通常の司祭ならともかく、あの儀式はあまり敬われる立場のやることでは無くて

……言い方は悪いんだけど閑職に追いやられたような人間がやってる仕事なんだよ
 未来ある若者に、あまり勧められないんだけどね」


フリードキンは渋い表情でフィリップが諦めてくれるような期待をして言った


「でもあなたも神父マックスもその道の専門家なのでしょう? お二人とも立派な司祭じゃないですか」


「うん、私はともかく神父マックスは立派な御方だよ、私やジェームスの師でもあるからね
 そのマックスの手ほどきを受けたフィルだから力を貸してやりたい気持ちはもちろんあるんだが、本当に将来あるキミをそのような外れた道へ促すことはとても抵抗かあるんだよ
 わかっておくれ」


フィリップはがっくりとうなだれてフリードキンの後をゆっくり歩いていくしかなかった


リンダも気の毒そうにフィリップを眺めていたが、それはどうしようもなかった


彼らが話しをしている儀式とは決して表立ったものではなく、どちらかと言えば汚れた仕事のように捉えられていたのだから


本流に進めない聖職者の汚れ仕事、それが儀式を行う者であった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ