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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第2章 ファ・ユィリィ


次の日もレセプションスクールでのお手伝いに訪れていた


神父やシスターたちは今日のレッスンにかかりっきりだったが、フィルは皆から離れて昨日のイベントの後片付けをしていた


そこへシスター・リンダが近付いてきた


「フィル、こんにちは
 ゆうべはどうしたの?
 わたし、待っていたのよ?なにかあった?」


フィルは何も応えなかった


信頼していたミラー神父が、まさか自分を疎んでいたとは知らず一方的に慕っていたのだから

眼の前に居る優しいリンダにも疑念の気持ちが湧いてしまうのだ


「リンダ!こっちを手伝って!」
建物の中から呼ばれたリンダは気まずそうに走り去ってしまった


お祭りの飾り付けを外していく作業はつまらないが、こんなときひとりで黙々とこなせる単純作業なのは助かる


するとちょこん、と小さな女の子がフィルに近付いてきた

ファだ

「フィルはみんなのところへ行かないの?」


「うん、片づけが終わってないからね」


フィルは小さな少女に勘付かれられないよう明るく努めた



「じゃあ、わたしもコッチに居てあげるよ!」


ファは危なくないように作業をしているフィルから少し離れた場所にちょこんと座り込んでしまった

「お友達のところへおいきよ?ファ」


「お友達って言ってもわたしも最近こっちに来たばかりだもの
 すでに出来上がってるコミュニティに後から入り込むのはタイヘンなのよ?」



10歳のファが大人びた事を言うので驚いた
女の子は精神的にしっかりしてるんだな、と思い昔の記憶が蘇る

幼馴染のエレンはいつも背伸びしてきるかのようにフィルを弟扱いしたものだ


「ファはどこから来たの?」


「サイド1の25バンチコロニーよ
 でもね、そこは人が住めなくなっちゃったの」


ファは明るく話すが、どこか影があるようにも思えたのだった

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