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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第2章 ファ・ユィリィ


サイド1の25番目のスペースコロニー

フィルはテレビか何かで聞いたことがあった
もともと民生向けとして建造された開拓者コロニー

主要コロニー〈ロンデニオン〉に近い位置にあったとして連邦軍が接収して住民をなかば強制退去させたことがニュースになっていたのではなかったか?


たしかにロンデニオンはかなり古いスペースコロニーだったので今さら改築するよりは、すぐ隣に浮かぶ25バンチコロニーを連邦軍が新たに基地化するほうが手っ取り早いのかもしれない

住んでいた住民は気の毒ではあったが、比較的新し目のコロニーなので住み慣れた土地というわけでもなかっただろう
当然移民には連邦軍が巨額な支援をしていたハズなので生活を切り詰めていたであろう開拓者たちは他所で暮らしたほうが今より良い暮らしが出来たのかもしれない


「ファは向こうにもたくさんの仲の良かったお友だちがいたんだろ?寂しかったね」


「ううん、もうかなりバラバラになっていたからさぁ、最後のほうは友達どころか子どもが少なかったんだよね、だから仕方ないの
 あ、でも一番仲の良かったデミトリッヒは最期までコロニーに残っていたの
 今はどうしてるのか知らないわ
 でもすぐ近くに居てるような気がするの!」


ファは明るく笑った


大人の都合で住む処を転々とさせられ、友人と離れ離れになってしまった子どもはたくさん居るのだろう


親たちは宇宙で暮らすことを選んで、必死で働いていることだろうが、それでは誰が傷ついた子どもたちのケアをするんだ?


ああ、神父やシスターが取り組んでいることはそういう事なのか…、とフィルはひとりで納得しようとしていた



そんな悩める見習い修道士の少年フィルを幼いファは見つめていた


しかし、その瞳の奥にはファとは異なる邪悪な人格があった

アイデンティティを模索するフィルは狙いをつけられたのかもしれなかったが、それはフィルにもファ本人にもわからなかった……


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