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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第2章 ファ・ユィリィ


「ファの事でしょ? あの子もサイド7に来て間がないみたいだから、既に出来上がった同級生のコミュニティに入りにくいみたいです」


「アナタと一緒ね?此処に来てすぐにフリードキン神父に弟子入りしようとして断られてからのアナタはいじけていたわよ?」


シスター・リンダはふふふっと当時のことを思い出して笑みがこぼれた


「たしかにあの子は他の子と遊んでいても、すぐに孤立してしまっていたわね
 最近はアナタにベッタリだけど
 妬けちゃうわね」


「まだ小さい子どもじゃないか?」


「アナタだってまだ子どもなのよ」


そう言われてフィルはすっかり機嫌が悪くなり無口になってしまった


「怒らないで」


シスター・リンダはテーブルを挟んで向かい合って座っていたが席を立つとフィルのすぐ横にまわりこんだ


彼の頭をくしゃくしゃ触ってやる


「ごめん、言い過ぎたかも」


リンダは身を屈めてフィルの顔に近付いた


そして彼の頬にそっと優しいキスをした


それはとても慈愛に満ちた軽いキス

胸の十字架にするような愛に満ちたキスだ


男女が交わす情欲の口づけではなく、親密な関係を再認識するための家族に向けたキス


それはお互いに孤独ではない、という証


「ありがとう、リンダ
 ボクは大丈夫だから」


フィルは内職の手元から隣に顔を近付けたままのリンダへ視線を移してそう言った


「そう? なら、いいんだけど……

 あ、それからこれは女の勘ってやつなんだけど……、時々ファは遠くからアナタを見つめているわ、アナタ気が付いてた?

 初めは歳上の男性に恋焦がれちゃったのかな?とか思っていたのだけれど、最近はそうは思えなくなってきちゃった!
 なんだか、獲物を狙う目線みたいに思えちゃって!

 やぁねぇ、ホントに嫉妬してるみたいでイヤだわ、わたし………」


リンダは屈んだ姿勢のままだったので、代わりにフィルのほうからリンダの頬に軽いキスのをお返しした


「ボクはリンダと居るほうが安心できますよ」


そうフィルが言うとリンダはハッと立ち上がってううーんと伸びをし、照れ隠しをしていた


それを見てフィルは笑った



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