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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第2章 ファ・ユィリィ


「はい、これで新しい包帯を巻いたら終わりよ、どうしたの?顔が怖いわよ?」


シスター・リンダは目の前の弟のように可愛がっているフィルの上半身裸の姿を見て、いつもより強く異性を感じてしまった


拒むわけではないが、やはり少年の面影を残すフィルも男なんだな、と思った


だが、フィルは目の前の優しいリンダではなく、かつての幼馴染の少女の姿が脳裏に浮かんでいた


「フリードキン神父に会わなければッ!」


「えっ?」


フィルは新しい包帯も巻けずに、傍にあったシャツを羽織って部屋を出て行ってしまった


ポツンと残されたリンダは拍子抜けしていた


「なんなのよ、もう!」

リンダは半裸の少年に抱き締められやしないかばかり考えた自分を恥じた



リンダもフィルを追いかけて部屋を出る


何人かの修道士たちとすれ違う


小走りで走るフィルとリンダにまわりは何だ何だ?と不思議そうな顔をしていた


男性側の建物を出て、中央に位置する教会に駆け込むとフリードキン神父とミラー神父、それに一般人の家族が話し込んでいた


何かの相談ごとを聞き入れているようにも思えたが、フィルも早くフリードキン神父と話しがしたかった


だが客人を差し置いて話し掛けることも出来ず、遠巻きに彼らの様子を伺っていると、逆にフリードキン神父のほうから声をかけてきてくれた



「フリードキン神父、お忙しいところ申し訳ありません……、じつは少女のことでお伝えしますしたいことが……」



「ちょうど良かった、フィル!今から呼びに行こうとしていたのだ
 さぁ、ファのところへ行こう」


「……え???」


横に居たミラー神父が声を差し込む

「こちらはファのご両親だよ、フィル
 実は大変な事が起こっているんだ」


「え?」


「時間が無いぞ、神父ミラー、そしてフィル、シスター・リンダ!!
 悪魔祓いの準備だ!
 すぐに出発だ!」


フィンはトントン拍子に話しが進んでしまい困惑し、何も知らないリンダは何のことだかさっぱり理解出来なかった


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