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エクソシズム†ロストコロニー

第1章 悪魔祓い


予想していた幼馴染の少女とあまりにも風貌が違っていたのでフィルは目の前の人物がエレンだと思わなかった


それくらいエレンの姿は変わってしまった


フィルは最初エレンだと思わなかった目の前の人物がだんだんと昔の面影を確認していきようやく幼馴染のエレンだとわかったのだった


「どうした、フィル?懐かしい顔だろうが!
 何とか言えよッ!?
 それともこの女に欲情してんのか??
 そうだな、お前も男だもんな?
 この女と乳くり合いたいだろ?
 ハハハハッ!」


男の声で少女が高笑いしている


フィルは下品な人物を相手にしなかった


「フィル、悪魔の言葉に動揺してはいけません
 エレンは身体の奥底にいて表に出れなくなっています
 きっと彼女はキミの顔を見て再会を喜んでいる筈だ、そして助けを求めている」


ジェームスはフィルの肩を軽く叩いた


老神父マックスは手にした聖書に手をかざし、十字架に軽く口先を付けた


ジェームス神父とフィルもそれに続く


マックスは聖なる布生地をエレンの身体にかける


そして胸ポケットから取り出した小瓶の蓋を開け、エレンの周りに振りかけた


中からは透明な液体が飛び散る


聖水と呼ばれるものだがフィルにはただの水にしか見えない



だが、明らかにエレンの眉間に皺が寄り、罵声を浴びせ始めた


汚い言葉で神父を罵るが、ふたりの神父は無視して聖書に目を通していく


フィルはエレンが汚い言葉を発することに違和感を覚えていた



目の前の人物はエレンのようでエレンではない


そう確信した


「父と子と、聖霊の御名によって、アーメン」

「アーメン」

「あ、アーメン!」



すると軽口をほざき、罵っていたエレンが嫌な顔をし始めた


「つまらん事を言うな神父めッ!余計な事はするなッ!お前たちには何も出来まい!
 この少女を助け出すことなんぞお前らには出来ないのだッ!
 マックス、マックス、マックス!!!

 お前の忠実なる弟分ジョセフがさっきどうなったか見てただろう!!
 お前には何も出来ない!
 この身体は俺のものだッッ!!」



だが老神父はなにも答えようとしなかった…


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