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エクソシズム†ロストコロニー

第1章 悪魔祓い


老神父マックスは再び胸のポケットから聖水を取り出すと直接エレンにかけた


すると聖水がかかったところがまるで酸のように白い煙を放ち、ぎゃああっとエレンは叫んだ



「天の栄光に満ちた王子、大天使聖ミカエルよ、

天空にただよう暗闇の権力と勢力、
この世を滅びへといざなう者、

邪悪な霊との戦いにおいて、私たちをお護りください」


「私たちをお護り下さい」



「だ、大天使ミカエル……」




「その名前を…二度と言うなッ!!」



エレンはハァハァと息をきらせ、苦しそうにわめき散らした



聖水と神の言葉が効いている



マックス神父が聖書を読み上げ、
ジェームス神父が復唱する
フィルも後から言葉を重ねていく


言葉を重ねていくうちにエレンはますます疲弊していくようだ


「神がそのお姿、かたをとり創造し、
悪魔の支配から、最も貴い代価をもって、
あがなわれた人間を、
助けに来てください」


「神がそのお姿…」


「……助けに来て下さい!」



「ぐわあっ! ゴチャゴチャ言うなァッッ!!」


「神の言葉に従い、お前は言うのだッ!
 どこから来たッ!?
 どこから少女に取り憑いたのだッ!?
 言いなさいッ!」


老神父は命令した


神の命令は絶対だ

だがまだ悪魔の力は強かった


「ハーハッハッハッハッ!!!
 誰が言うものかッ!
 お前らのチカラ如きで屈伏するとでも思っているのかッ!うぬぼれるな、人間がッ!」



するとジェームス神父が手にした大きな十字架をエレンの顔の近くにかざした



「ヒャアァァッッッ!!!近付けるな!
 何処かへやれ!!
 俺の前に持って来るなッ!」



ジェームスはマックスの顔を窺い、マックスはコクリと頷いた


ふたりの連携は言葉を交わさずとも同じ目的を持って儀式を執り行っていく



「あなたは聖なる教会から、守護者、保護者として敬われています、
主は、あらがわれた霊たちを、天の至福の場へ導き入れるようにと、
あなたにお委ねになりました
平和の神に願い、求めてください」



マックスの言葉は続く


「私たちの足元でサタンを踏み砕いて、
人間を取り憑き、虜とすることができないように、
教会に危害を加えることができないように、

私たちの祈りを、神の御前にお捧げください」

マックスは祈りを捧げる

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