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アパート

第5章 生い立ち

沙耶香は、一通り話終えると涙を浮かべ、

「だから谷川さんとは、食事に行けないの!」

と言った。

うつ向きながら涙を浮かべる沙耶香を見ていると、いたたまれなくなり、こういうとき、恋愛経験が少ない僕にはよくわからないが、そっと抱きしめてあげるのが良いんだろうと思った。

僕は沙耶香を抱きしめようと肩に軽く手を回すと、沙耶香は、スッっと体を翻して、

「ごめんなさい!」

と言った。そして、自分の部屋のドアを開けると、

「おやすみなさい!」

と言って部屋に入って行った。

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