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リバース!(R-18)

第2章 早すぎる再会

「ふぅ~…さっぱりした~」
ルーシーは濡れた髪をかき上げた。

久しぶりにお風呂に入ったわねぇ。

あの後、機嫌を損ねたグランが、ルーシーに風呂に入るように言ったのだった。共同の浴場を出たルーシーは、髪を乾かさないまま自室へと戻る。

部屋へ入ると、グランがジロリとこちらを見た。

「あら、早かったわねぇ」

グラン自身も、かなり汗をかいたのもあって、同じく入浴を済ませていた。ルーシーとは違い、グランには自室に個室の浴室が与えられており、一旦戻っていたのだが、ルーシーよりも早かったようだ。

「おまえがトロいんだろ。早く続きをやれ」

部屋はまだ3分の1ほどしか片づいていなかった。ルーシーはさっそくとりかかった。

「そういえばあんたさぁ」

「……何」

「こないだ女の人たちと話してるときはふつーの態度だったけど、あの中に好きな人でもいるの?」
ニヤリとしたルーシーに、グランはため息をつく。

「俺は基本的に女性には優しい。おまえ以外」
最後に、いいから早くやれ、とつけたした。

「なぁんだ」
弱みを見つけたと思ったのに、とルーシーは残念がった。

「あそこにいた女性たちは全員俺のこと好きだったとは思うけどね」

「…あー。はいはい」

出たよ、ナルシスト。

弱点はさっき一つ見つけたからまぁ良いか、とルーシーは思った。あの間抜けな声がこのナルシストから聞けるとは、と思い出しながらニヤニヤした。と、ルーシーの中でいたずら心が芽生えた。

「…何だよ」
ずずい、とニヤニヤ顔でルーシーが近づくと、またくすぐられるのかとグランが身構えた。じりじりとグランは壁に追い詰められ、後がなくなる。

目にもとまらぬ速さで手首をつかみ、ルーシーはグランを壁に押さえつけ、股間に膝を当てた。

「な……」
グランは言葉を失う。何をしようというのか。

「ねぇ、嫌いなヤツにこんなことをされるのはどんな気持ち?」
膝をゆっくり上下に動かす。グランが微かに震えた。

「…何のつもりだ」
眉をひそめ、ルーシーを睨む。

「その顔。その顔がたまらないわぁ」
ルーシーは片手を離すと、すばやく腰の剣に手を伸ばす。グランの袖に突き立てて壁に固定し、股へ手を伸ばす。乾ききっていない髪が、パサリと前に落ちてきた。

だがそんなことは気にとめず、服の間から手を滑り込ませると、下着の上からそれを握りしめた。

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