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──拝啓、支配様

第2章 2

 昼、14時頃──。

  始業式、入学式も終わりしばらく経った頃。

 混乱の中に居た僕は、更なる混乱の最中に居た。

「痛ッ! 離してください、大寺先生!」

「あ、ごめんね……」

 事件の存在が認め、犯人探しなんて突拍子も無いことを言ってから、大寺は有無を言わせず、僕の手を取って学校内に入っていった。

  僕の力が弱いせいもあるが、彼は細身だと言うのに案外力があり、軽々と僕を2階まで引き摺っていったんだ。

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