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──拝啓、支配様

第2章 2

 異常とも言える彼の行動に、思わず語気が強くなる。
だが、僕から怒鳴られた大寺は、手を離した後、苦笑いをして、頬を掻くだけだった。

 恐らく、あまり悪いとは思っていないのだろう。その行動が余計に僕の気を逆立てる。

「一体何なんですか、こんな所まで連れてきて。それに、いきなり犯人探しなんて……」

 ───僕の言ったことは、あくまで仮説だ。

 警察がどういった判断を下すかは分からないが、事故かもしれない。と、なっている以上、犯人なんて居るかどうかも分かりもしない。

 僕は、僕のくだらない妄想を否定して欲しかった。それだけなのに。

 ────なんでこんな事になってしまったんだ。

「そう、だよね。ごめんね宮本くん。
 僕の行動は、少し強引だったかもしれない。でも、宮本くんの言ってたことはね…

 “皆そう思ってる事”なんだ」

「───は? 」

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