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　言葉選びに失敗してしまっただろうか、確かに余り同意を得られる動機では無かったかもしれない。

　グルグルと思考が回ったところで、こちらの緊張の糸を断つ様に彼が笑ってくれたんだ。

「ふふふ、それもそっか。そうだよね…。くくく。とても嬉しいよ、手伝ってくれるのは」

「……大寺先生」

　その笑い声が、僕にとっては一筋の光のように見えた。

「ウザ」

　重なるように聞こえた杏菜の声もどこか軽やかで、心の底からそうは思って居ないような響きだった。

「決まりね、宮本くん。
　改めて宜しくこれから期待しているわね、貴方のこと」

　短くそう告げて美麗はこちらに手を差し出す。僕はその手を……。


　何の迷いもなく軽やかに取ってしまった。