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──拝啓、支配様

第3章 3

 ……!?

 何?

 その答えは目の前の母親が持っていた物を見て終息する。

 ……クラッカーだ。

 は?

 疑問符が頭の中に浮かぶ。見れば部屋は簡素だが飾り付けされていて、食卓にはケーキまであり、どこか父親も誇らしそうにふんぞり返っている。

 何があったのかと思えば、母はクラッカーを投げ捨て、僕の肩を嬉しそうに揺する。

「愛次ちゃん! 首席おめでとう!」

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