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──拝啓、支配様

第3章 3

 瞳孔が開かれる。

 どういうことか。思わずスマホ片手に飛び退いてしまいそうな程の衝撃の後、頭をフル回転させる。

 すぐ近くに居る? すぐ近くに居る犯人の特徴に当てはまる人物って誰だ?

 ​────。

 考えれば直ぐに分かること。然し、信じられない。あの人が? あの温厚そうな“ 彼”が ? 本当にそうか? 他に可能性は無いか?

 ………額から脂汗が滲む。恐怖に身体が震えた。然し​──────。いや…だとしたら可笑しいだろう。

 心の底で僕が僕に問いをかける。

 僕に事件の犯人を探せ、と言ったのは何処の誰だ。

 その上事件を解く為の場所と道具まで提供したのは何処の誰だ?

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