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──拝啓、支配様

第4章 4

「本当にこの人に、そんだけのことできんの? スマホ親に管理されてるような子がバックアップなんて取れるの? それにこの子にそんな度胸あるように見える?」

「遠野さん、少し​────」

大寺が止めに入る。

然し、構わず彼女は続けた。

「せんせーもせんせーだよ。バックアップ取られた証拠でもあるの? それ、調べなきゃ話に​───────」


「調べてからじゃあ、遅すぎるだろう!」


厳しく、低い声が響く。

そこには荒々しさや悔しさも含まれていた。

「調べている間に、親に漏れたらどうするんだ? それこそ履歴をチェックされているんだぞ?

どんな簡素な録音機であれ、本当ならば我々は詰む。

お前らだって無事で済むか? 殺人に関与した奴らなんて、全員少年院行きだろ!

名門高に態々、親のコネまで使って入ってきた癖に、人生躓きたいのか!」

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