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──拝啓、支配様

第4章 4

「宮本くん」

震えた声で、美麗が此方に声を掛ける。

「本当にバックアップなんて取ってるの?」

……。

「さぁ? どうでしょうね」


​───────。馬鹿、取れる訳ないだろ、あんな簡素な録音機器で。

親に管理されたスマホで。

でも、それを確認する手立ては彼等にない。

僕が生きてるうちは、確認なんてさせないし、死んでしまえば元も子もない。

結局、嘘だったとしても、彼らをビビらせればそれでいいんだ。


チョロいものだ。


全員が押し黙った。

室内に、重々しい空気が流れる。

「……誰か異論はあるか」

大寺の問いかけに、何も、誰も答えることはなかった。

数刻、沈黙が流れる。

其の沈黙が答えだ。

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