テキストサイズ

AI時代のヌードモデル

第1章 AIにおまかせ


美大の入試がAIヌードモデルのデッサンになった、というニュースを読まされることになった。

時代だな。

実在の女性数十人を全裸でスキャンし、AIが修正し、再計算して生成した「理想型の人体」を、とある企業が完成させたのが半年前のことらしい。

すぐに3D投影画像が著作物として販売されるようになった。

美大はもちろん、アニメ制作会社、漫画家、イラストレーターにまたたく間に広がった。
審査に通れば個人(素人)でも買えたから、かえって転売とか海賊版などの問題が起きなかったという。

AIヌードモデルはあくまでもデータだから、カスタマイズが容易だった。
年齢を18歳から90歳(需要あるの?)まで変更でき、体型の修正も利いた。
乳房やお尻を好みの形にできるわけだ。

そして、肝心の「顔」は、コンプライアンスを守るという最小限で最強の制約が課されたが、
体がAI作品だから顔もAI作品で合成してしまうクリエイターが圧倒的に多かった。

こうして完成したAIのヌード娘は、どんなポーズも微動もせずにこなし、体調に気をつかうこともなく、ストーブも不要という、
生身のモデルを軽く超越した存在となったのである。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ