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ヤリチン野郎と一途くん

第10章 満員電車


 その子は思った…

(えぇ!!私服じゃんっ!!不良確定!!
しかもヘッドフォンにチュッパチャプス!? もしかして朝帰り~!?)

 蘇芳は、その子の顔が
青くなったり赤くなったりの百面相に…

蘇芳
「あっはっは…
俺、友達ん家に行ってて…早めの登校…
寮に帰って制服に、ちゃんと着替えるよ?
不良じゃないから安心して?」

 と、蘇芳は、その子に優しく声をかけた…

「あっ…そうなんですね…」
(で、でも…首筋にキスマークと歯形が…
い、いや…でも…虫刺されの可能性も…)

 と、またもや、その子は俯いてしまった…

蘇芳
「えーっと…とにかく…乗りなよ…
朝早いけど1時間後はもっと暑くなるよ?」

 と、蘇芳は半ば強引に、その子を
自分の方に引き寄せた…

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