ハズビンBL ルシアダ/アダアラ
第2章 【R18アダアラ※流血あり】悦びに落ちる鼓膜
ああ、くそ。仕事が終わらない。
乱暴に後頭部を掻きながら、金色の万年筆を走らせる。
完成したものを机からスライドして放れば、次から次へと小気味よい音を立てて書類が現れる。
沸々と煮えたぎるような頭痛と眠気に、ついに足を机に投げ出した。
「ファーーーック。サタデーナイトだぜ。やってられるか」
新たな書類を抱えた天使の呆気にとられた顔に下唇を突き出し、アダムは羽を広げて自由な空に飛びだした。
職場を見下ろし、自分の影が机に重なるのを見て、にまりとほくそ笑む。
知ったことか。
後始末は部下に任せて、ステーキでも食いに出かけよう。