ハズビンBL ルシアダ/アダアラ
第2章 【R18アダアラ※流血あり】悦びに落ちる鼓膜
前触れなく頭を鷲掴みにされ、腕を振り上げる間もなくマットに投げられた。
饐えた臭いの枕から顔を上げて、近づいてくる巨体にマイクを向ける。ジジッと緑の光線が二人の顔を照らすと同時に、眩いほどの光が視界を奪った。
遅れて聞こえてきた轟音に、背後の壁が木端微塵になったのを悟る。
じりりと焼けた横髪が不満そうに頬を引っ掻く。
無力と知りつつ影が地上に這い出て、目の前の男に歯をむき出す。
「あー……素直にしてくれりゃ、さっさと済んだのに」
処刑宣告のようにアダムはそう言うと、ひゅっと軽くギターを横に振るった。
たった数瞬のその動作で、自分の存在を消し飛ばすことだってできたはずだ。
だが、全身を貫く痛みが、残酷な加減を思い知らせる。
まだ完治していない胸元、腹、腿から血が飛び散る。
等身大のフォークでえぐられたように、赤い線が刻まれた。
うずくまり、血と共に汚い声が漏れる。
「っが……っはあ、はあ」
黒い手袋に包まれた指先が、容赦なく胸元の傷にめり込む。
「あああっ」
「はは、やーっぱイイ声だな。何度聞いても飽きねえ」
殺意を込めて睨みつけても、その歪んだ笑みが広がるだけだった。
「女の悲鳴みたいにクルんだよな」
顎を掴まれ、無理やり視線を合わせられる。
口元を拭おうと持ち上げた腕を膝で踏まれる。
屈辱的な扱いに、ぶわりと影たちが牙を向けるが、アダムの目は変わらない。
ただ、面倒だと吐き捨てるように見下ろしている。
「お前の上着脱がすの面倒なんだよ。下だけ剥くぞ」
決定事項のように腰元に手がかけられ、抵抗空しく剝ぎ取られる。
露わになった下半身を足で守るように膝を立てるが、時間稼ぎにもならない。
大きな手に割り開かれ、あっという間に晒されてしまう。
「……うーわ、ここまで血まみれになってやがる」
嫌悪というより興奮の滲んだ声に、嫌な予感が的中する。
マスクを乱暴に脱いだアダムが、そこに顔を近づけたのだ。
饐えた臭いの枕から顔を上げて、近づいてくる巨体にマイクを向ける。ジジッと緑の光線が二人の顔を照らすと同時に、眩いほどの光が視界を奪った。
遅れて聞こえてきた轟音に、背後の壁が木端微塵になったのを悟る。
じりりと焼けた横髪が不満そうに頬を引っ掻く。
無力と知りつつ影が地上に這い出て、目の前の男に歯をむき出す。
「あー……素直にしてくれりゃ、さっさと済んだのに」
処刑宣告のようにアダムはそう言うと、ひゅっと軽くギターを横に振るった。
たった数瞬のその動作で、自分の存在を消し飛ばすことだってできたはずだ。
だが、全身を貫く痛みが、残酷な加減を思い知らせる。
まだ完治していない胸元、腹、腿から血が飛び散る。
等身大のフォークでえぐられたように、赤い線が刻まれた。
うずくまり、血と共に汚い声が漏れる。
「っが……っはあ、はあ」
黒い手袋に包まれた指先が、容赦なく胸元の傷にめり込む。
「あああっ」
「はは、やーっぱイイ声だな。何度聞いても飽きねえ」
殺意を込めて睨みつけても、その歪んだ笑みが広がるだけだった。
「女の悲鳴みたいにクルんだよな」
顎を掴まれ、無理やり視線を合わせられる。
口元を拭おうと持ち上げた腕を膝で踏まれる。
屈辱的な扱いに、ぶわりと影たちが牙を向けるが、アダムの目は変わらない。
ただ、面倒だと吐き捨てるように見下ろしている。
「お前の上着脱がすの面倒なんだよ。下だけ剥くぞ」
決定事項のように腰元に手がかけられ、抵抗空しく剝ぎ取られる。
露わになった下半身を足で守るように膝を立てるが、時間稼ぎにもならない。
大きな手に割り開かれ、あっという間に晒されてしまう。
「……うーわ、ここまで血まみれになってやがる」
嫌悪というより興奮の滲んだ声に、嫌な予感が的中する。
マスクを乱暴に脱いだアダムが、そこに顔を近づけたのだ。