ハズビンBL ルシアダ/アダアラ
第2章 【R18アダアラ※流血あり】悦びに落ちる鼓膜
「やめっ、ッく」
ひちゃりと熱い舌全体で舐め上げられて、はしたなく痙攣してしまう。
これは快感じゃない。
行き過ぎた暴力への拒絶反応だ。
血も止まらないほどの痛みなのだから。
だから、淫らに天を向き始めるソレも錯覚だ。
「この味、癖になるんだよな」
アダムの整った顔が血に染まっていくのを見て、それがあまりに生々しく人間的で、うなじがヂリヂリと疼く。
尖っていない歯が食むように当たると、腰がびくりと浮く。
自分で弄ることもない興味のない部位だったソレが、この男と出会ってから本来の快感にしがみつくように反応するのが情けなくて仕方ない。長いくせに無駄だなと罵られたのも嫌に残っている。
満足したように口を離してごぐり、と血を飲み下したアダムが、楽し気にソレを腹のほうに押し倒す。
「よーく見えるぜ。お前の穴」
こんな惨状の中で欲情できるのは称賛に値する。
手袋の指先を歯で噛み、すーっと脱ぎ捨てると、指先がそこに当てられた。
腰を引いて逃げようにも背後はベッドの木枠だ。
せめてもの息を深く吐いて、黄金の瞳に殺意をぶつけた。
「ッあ、ぐ」
それでもこじ開けられるように埋められていく指先に声が漏れてしまう。
「あーくそ、すっげえ可愛いんだよな。耳がびくびくしてんの」
膝を押さえていた手が不意に耳を掴む。
神経の集まったそこをさわさわと撫でられ、甲高い声に染まっていく。
「はッッ、触ら、ないで……くれ、ます」
「無理な相談だ」
愉快でたまらない指先が、好き勝手に毛先を撫で、耳の奥に指をゆっくりと突き刺し、両手の指の動きを合わせるようにぐねつかせる。濡れた音が脳に直接響くようで、ぞくぞくが止まらない。
内臓を押し上げるように中で動く指に、ぎゅっとお腹に力がこもる。
「あ……ッ、っは……ふッ」
ぎしり、とベッドが軋み、アダムがもう片方の耳に口を近づけた。
拒絶より前にじゅぐ、と舌先が耳穴を犯し、甲高い声が喉からつんざいた。
「はは、うるせ」
鼓膜に響く低い声に、カタカタと歯が震える。
ひちゃりと熱い舌全体で舐め上げられて、はしたなく痙攣してしまう。
これは快感じゃない。
行き過ぎた暴力への拒絶反応だ。
血も止まらないほどの痛みなのだから。
だから、淫らに天を向き始めるソレも錯覚だ。
「この味、癖になるんだよな」
アダムの整った顔が血に染まっていくのを見て、それがあまりに生々しく人間的で、うなじがヂリヂリと疼く。
尖っていない歯が食むように当たると、腰がびくりと浮く。
自分で弄ることもない興味のない部位だったソレが、この男と出会ってから本来の快感にしがみつくように反応するのが情けなくて仕方ない。長いくせに無駄だなと罵られたのも嫌に残っている。
満足したように口を離してごぐり、と血を飲み下したアダムが、楽し気にソレを腹のほうに押し倒す。
「よーく見えるぜ。お前の穴」
こんな惨状の中で欲情できるのは称賛に値する。
手袋の指先を歯で噛み、すーっと脱ぎ捨てると、指先がそこに当てられた。
腰を引いて逃げようにも背後はベッドの木枠だ。
せめてもの息を深く吐いて、黄金の瞳に殺意をぶつけた。
「ッあ、ぐ」
それでもこじ開けられるように埋められていく指先に声が漏れてしまう。
「あーくそ、すっげえ可愛いんだよな。耳がびくびくしてんの」
膝を押さえていた手が不意に耳を掴む。
神経の集まったそこをさわさわと撫でられ、甲高い声に染まっていく。
「はッッ、触ら、ないで……くれ、ます」
「無理な相談だ」
愉快でたまらない指先が、好き勝手に毛先を撫で、耳の奥に指をゆっくりと突き刺し、両手の指の動きを合わせるようにぐねつかせる。濡れた音が脳に直接響くようで、ぞくぞくが止まらない。
内臓を押し上げるように中で動く指に、ぎゅっとお腹に力がこもる。
「あ……ッ、っは……ふッ」
ぎしり、とベッドが軋み、アダムがもう片方の耳に口を近づけた。
拒絶より前にじゅぐ、と舌先が耳穴を犯し、甲高い声が喉からつんざいた。
「はは、うるせ」
鼓膜に響く低い声に、カタカタと歯が震える。