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ハズビンBL ルシアダ/アダアラ

第1章 ルシアダがチェスを興じて楽しく会話するだけ

 小さなその背中が、イブを連れて消えた日と重なる。
 その背中がすべてを奪った。
 その背中に、槍を突き立てたいと無限に思った。
「そんな怖い顔をするな」
 振り向きもせずに言い当てられる。
「私は機嫌がいいんだ。寝室で二戦目といこう」
 扉を開いて、招くように手を広げる。
 従う理由も逆らう理由も浮かばなかった。
 だったら、足を踏み出した方が賢いだろ。
「次はモノポリーにしろ」
「いやだ。趣味じゃない」
「じゃあ、オセロだ。白黒決めるのが気持ちいいんだ」
「ああ。いいだろう、私も好きだ。色はどちらにする?」
「そりゃあ、もちろん」

 白だよ、王様。

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