お題小説 カレイドスコープ
第1章 kaleidoscope
13
再会と共に…
いや、茉優の顔を、笑顔を見た、その声を聞いた瞬間に…
あの封印して、奥底にしまった心の箱が簡単に開き…
呆気なく崩れてしまったのである。
「お、俺も、会いたかったんだ」
そう、本当に会いたかった…
「え、ほ、ホントなの?」
「あぁ本当さ、本当に、本当は、ずうっと前から茉優に会いたかったんだ」
もう、心の叫びが止まらない…
「だったら…
だったら、もっと前に…
もっと早くこっちに帰ってくれば良かったのに…」
「あ、あぁ、う、うん」
だが、それは、その本当の理由は、その理由を話したくはない…
「変な見栄なんていらないのに」
すると茉優がそんな言葉を、いや、不思議な言葉を言ってきた。
「え?」
「そんな見栄やプライドなんていらないのに…」
「え?」
まさか、まさか…
茉優はまさか、俺のあの事件の事を知っているのか?…
「あ、いや…」
あ、いや、そんな筈は無い…
俺は誰にも、そう、母親だって、ばあちゃんにだってあの事件の事は話してはいないのに…
「わたしは、ううん、わたしだけは勇人の事を信じているから…」
「え?」
やっぱり知っているのか?…
「ねぇ、本当は今は何を、何の仕事をしているの?」
「え?」
やっぱり…
やっぱり知っているんだ…
「うん、わたしだけは、わたしは知ってるのよ…
その、あの…事件の事をね」
「あ、え…」
「でもわたしは最初から、ううん、ハナから勇人は濡れ衣だって信じていたわ」
「あ、ま、茉優…
知っていたんか?」
俺は絞り出すかの様に呟いた。
「うん…知ってるのよ」
なぜ、なぜ知っている?
いくら事件になったとはいえ、確か新聞や週刊誌等のマスコミには載らなかった筈だし…
ましてや俺は贈収賄には全く加担いや、その事実さえ後から知っただけの、全くの無実であったのだ。
ただ…
「ただ、上司の巻き添えを食っただけなんでしょう」
ああ、茉優は知っている、いや、ちゃんと事実を知ってくれていた…
再会と共に…
いや、茉優の顔を、笑顔を見た、その声を聞いた瞬間に…
あの封印して、奥底にしまった心の箱が簡単に開き…
呆気なく崩れてしまったのである。
「お、俺も、会いたかったんだ」
そう、本当に会いたかった…
「え、ほ、ホントなの?」
「あぁ本当さ、本当に、本当は、ずうっと前から茉優に会いたかったんだ」
もう、心の叫びが止まらない…
「だったら…
だったら、もっと前に…
もっと早くこっちに帰ってくれば良かったのに…」
「あ、あぁ、う、うん」
だが、それは、その本当の理由は、その理由を話したくはない…
「変な見栄なんていらないのに」
すると茉優がそんな言葉を、いや、不思議な言葉を言ってきた。
「え?」
「そんな見栄やプライドなんていらないのに…」
「え?」
まさか、まさか…
茉優はまさか、俺のあの事件の事を知っているのか?…
「あ、いや…」
あ、いや、そんな筈は無い…
俺は誰にも、そう、母親だって、ばあちゃんにだってあの事件の事は話してはいないのに…
「わたしは、ううん、わたしだけは勇人の事を信じているから…」
「え?」
やっぱり知っているのか?…
「ねぇ、本当は今は何を、何の仕事をしているの?」
「え?」
やっぱり…
やっぱり知っているんだ…
「うん、わたしだけは、わたしは知ってるのよ…
その、あの…事件の事をね」
「あ、え…」
「でもわたしは最初から、ううん、ハナから勇人は濡れ衣だって信じていたわ」
「あ、ま、茉優…
知っていたんか?」
俺は絞り出すかの様に呟いた。
「うん…知ってるのよ」
なぜ、なぜ知っている?
いくら事件になったとはいえ、確か新聞や週刊誌等のマスコミには載らなかった筈だし…
ましてや俺は贈収賄には全く加担いや、その事実さえ後から知っただけの、全くの無実であったのだ。
ただ…
「ただ、上司の巻き添えを食っただけなんでしょう」
ああ、茉優は知っている、いや、ちゃんと事実を知ってくれていた…