性教育
第2章 高島くん
私が高島くんを好きになった理由。
朝、私は学校に遅刻しそうで走っていた。
・・・訳でもなく、前の日の球技大会で
足をくじいた私は走りたくても走れず、
必死で早歩きしていた。
朝のホームルーム開始は40分。
今はもう30分を切っている。
なのに学校まではまだまだで
とても10分では着くはずもない距離だ。
そんな時、
『お前、走んないの?』
男の子の声がした。
「え?私、ですか?」
『あと10分だぞ』
「えっと、昨日の球技大会で足くじいちゃって・・・」
『ぶっ 昨日の球技大会でどこ足くじく
所があんだよ(笑)』
何、いきなりちょっと失礼な人。
『乗れよ』
「へ?」
『ん』
と、彼は自分の自転車を指さした。
固まっていた私だが、
時間も時間だし、悪い人には見えない。
・・・というか、格好良い。
結局私は自転車の後ろに乗りながら、
他愛も無いことを話した。
担任の話、学校の話。
さすがに初めて会った人の
背中につかまるのはないだろうと
頑張ってバランスをとっていたが、
他の人から見て私達は付き合ってるように
見えたりするのかと思うと
悪い気はしなかった。
むしろこんなイケメンとカップルに
思われてると思うと嬉しいくらいだった。