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Lovers Game 〜光と影〜

第9章 悪魔の心

帰宅途中の廉が日光を浴びながらゆっくり歩く


キキィ・・・

目の前…進路を塞ぐように大型バンが停車した

車が入ってくるには狭すぎる路地


ガララ…・ガタタタ…っ…


『…?』


一言…発する間もないうちに
廉は四方から手足を捕まれ、車に連れ込まれて
すぐにドアが閉められた



『…っ・・な…』


本当に恐ろしい時は…声をあげる、どころか何が起こったかすらわからなくなるものだ



ガタタタ…ガタン…


ガサッ…ガチ・・・ビリビリ…っ…


『っ・・…ゃ・・・っ・・…んんっ…む…』



『静かにしろ…』


僅かな一瞬で手足を押さえられ
目隠しをされて、口にテープを巻かれた




『影山蓮の女だな?』


視界の遮られた空間で
男の声が耳に突き刺さる



『…〜〜!!!』

廉は必死に頭を横に振って否定した



『嘘はつかなくていい。このまま来てもらうから』



『うぅ〜〜…っ』

廉は何度も頭を振ってうったえる


『お前に恨みはないが利用させてもらう』


『ぅ〜〜……!!』


廉はパニックになって本能的に暴れて声を上げた




車が移動していることだけはわかる
廉は無意識に手足を動かそうとし続ける



『騒がしい女だな…?…聞いてないぞ
…おい、アレあっただろう?~持って来い

いいか?お前は❝獲物を釣るエサ❞だ

エサはエサらしく、、じっと獲物を待つものだ』


しばらく移動した所で目隠しが外され
急に眩しくなる視界に廉は目を細める



…知らない男…ばかり




『ん・・・?!…』


男が注射器を手に持った様子に廉の体が反射的に硬直する


『こんなガサツな女で…アイツが釣れるのか?』

『調べはついてる、間違えないはずだ』



男複数名の会話が聴こえる中
廉の体はずっとガクガクに震えていた


『んっ・・…ぅ・・…んんっ…』




『女は…もう少しおしとやかな方が可愛いぞ…

影山も趣味が悪い男だな・・・クククク

あコレ?…大丈夫、大丈夫そんなに怯えなくて

少しお昼寝するだけだよ、お嬢サン

恐くないからね、、大人しく寝てな?』



視界に入らない別の男たちの手に
頭や肩を押さえつけられて


ブツッ…・・・


針の先端が廉の首筋に刺されて

廉の…手足…全身から力が抜けて瞼が閉じた

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