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Lovers Game 〜光と影〜

第3章 事件です!

『❝これ❞は、あなたの受けた損害…精神的苦痛に対して必要最小限…受け取るに妥当な金額。継続的治療が必要であれば無論当社で別途負担させて頂きます。
それから…取り決めが口約束というわけにはいかないかと・・ですので❝こちら❞にご了承の旨、ご署名を・・・
というのは、あくまで我々の言い分、ご提案です』


太牙が無機質・事務的に示談金・書類を並べて
淡々と示談交渉を開始する。


『ぁ‥なた、さ』


『権利を選択するのはあなたです

我々は本件に関し提案はしても強要する権限は一切持ちません

示談を受け入れる・法に訴えて裁く・・もしくは』


『・・?・・?』

パチ…パチクリ
レンの瞬きが次第に鮮明に早くなって


『・・・写真とか、撮りますか?』


太牙がサッと目配せして部屋、寝室を指す


『は・・・?』



『❝現場保存❞…。勿論、それもあなたが精神的に苦痛・負担にならなければ、ですが』




『あんた・・・・・誰の味方なの?』



『私が云々でなく社会的モラルに沿っての話です
繰り返しますが、先ず優先して守られるのはあなたの尊厳・・・』


『・・・~~』


『…こんな所(※現場)で、あなたにこんな話をしてる事自体、十分に苦痛を与える無神経な行為です。すみません。…なるべく誤解のないように、とだけ。

あとは、コレも…あなたを脅す意味ではありませんが』



『・・・?』



『コレは一般的に…と言うか私の❝ひとり言❞ですが

事を荒立てて、あなたの苦痛に苦痛を重ねて
長い時間や労力を費やす事が、得策とは思えません

こちらがして良い発言ではありませんが、世の中は…
まだまだ❝被害側を叩く❞風潮も少なくありませんから』


『・・・だから❝金で解決してくれ❞って?…事だよね結局』


『・・・』

やっと言葉を返したレンに、答えないことで肯定しつつ
太牙はレンの答えを待った




『別に、、あなた達が思う程、私は…被害者意識なんか持ってない。こんなこと‥・・・…第一、体なんか、、❝物体❞にすぎないでしょ。傷つこうがつかまいが、消耗しようが、、誰だって…いずれ朽ちていくんだから』



『・・・。…』

さり気に放たれたレンの言葉に
太牙の瞳孔が僅かに揺れる

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