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Kalraの怪談

第32章 三十二夜目:よもつへぐい

☆☆☆
俺は最後に見たあの光景を思い出していた。不思議な和室。目の黒い女。血のような赤い汁を滴らせてザクロを貪るAの姿。
あれは夢。そう思いたかった。

でも、本当は、Bの体を喰っていた、Aの姿だったのかもしれない。

俺は、3年経った今でもアレの夢を見る。

目の黒い女が見せた、あの笑みを。

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